「告白」

っていう本が面白いと聞いたので、早速購入。

夜の8時半から11時半まで脇目もふらずに読み耽り
3時間で完読。

いやー　　一気に読んじゃったなぁ。

4歳の愛娘を担任のクラスの生徒に殺された女教師の復讐のお話なんですけど。
 
 
「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」
 
生徒達の前でタイトルどおり、"告白" する教師。

怒鳴るわけでも嘆き悲しむわけでもなく、
淡々と、でも確実に犯人を精神的に追い詰めていくその怖さ。
 
彼女が選んだ "少年法に守られた犯人" に対する復讐の方法は、
逃げ場の無い、この上なくおぞましい方法でした。

一気に読めた理由には、この本が6つの短編の集まりだったこともあるかもしれません。

この事件に直接的・間接的に関わってる人々それぞれの視点から描いた6つのお話。

完璧なはずの家庭が崩壊するきっかけは
ほんの些細な親子の気持ちのすれ違いからなのかもしれない。

いじめが始まる原因は
ヒーローぶった少年の間違った正義感からなのかもしれない。
 
一つの事件をきっかけに広がる "復讐の連鎖"。

６つのお話の中でいろいろな伏線が絶妙に絡み合って、やがて一つの大きな結末を迎える...。
 

プロローグも後書きも解説もなく、ただ本編だけが存在しているこの本の構成も
その不気味さを助長させていました。

デビュー作でこれだけのものが書けるなんて。
"湊かなえ"さん、   これからが楽しみな作家さんです。

読み終わって爽快な気持ちになれるお話では決してありませんが、
ゾクっとしたい方にはオススメの作品です！